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築地のネズミさんたちの虐殺は止められないものか?

 昔、家にネズミがいた。
 飼っていたわけではない。ただの知り合いである。
 ある日、ゴミ箱の中でつぶらな瞳の小動物が跳ねていたので、よく見てみると、生まれたばかりとみられる子ネズミだった。
 子ネズミは私の顔を見るとびっくりしてますます何度も跳ねたが、高すぎて出られそうになかった。
 そこで私はゴミ箱を傾けて外に出してやった。
 子ネズミはつぶらな瞳を不思議そうにしてどこかに去っていった。

 数日後、私は居間で視線を感じた。
 部屋の隅を見てみると、あの子である。
 あの子は周りをチョロチョロし、触っても平気でいるようになった。
 そのまた数日後になると、あの子は兄弟を連れて現れた。
 3匹連なって電車ごっこのように歩いて見せた。
 私は何か奇跡を見ているようでうれしかった。
 3匹で来たのはその日だけだったが、その後も何度かあの子は見かけた。

 あの子をぱったり見かけなくなったのは、あの子の兄弟が私の家族に見つかってしめられてからである。
 私は知り合いではないふりをしていたが、相当悲しかった。

 1年ぐらい後、私は居間の隅で久しぶりにあの子の姿を見かけた。
 私がじっと見ていると、あの子はうれしそうに駆け寄ってきてくれた。
 あの子はまた私の周りをチョロチョロするようになったが、ある時動かなくなっていた。
 自然に死んだのか、私が踏んでしまったのかはわからない。
 私はただの知り合いの喪主を務めた。

 ネズミ哺乳類である。
 人間と同じ感情豊かな、人間より純粋な動物である。
 そんな人類の先祖の顔貌に似た彼らに対し、織田信長ヒトラー級の大虐殺をしでかすのは、どうにも看過できない。
 彼らを増やした原因は人間にあるのである。
 もちろん、衛生上の問題もある。
 しかし彼らの不潔さなど、人間様のものすごいド汚さと比べたら、かわいいものであろう。



築地市場
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桜田史弥.

Author:桜田史弥.
歴史チップス」の現代版です。

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